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 【iPad活用方法について】−企業としてどのように利用するか?−



■ 第5回  企業でiPadを導入する場合の注意点   <2012年08月29日号>


さて、前回まで3回にわたって「三種の神器」と呼ばれるアプリについて説明してきましたが、今回は「企業でiPadを導入するときに考えなければいけない点について」お話したいと思います。


(1)利用目的を明確にする

「最近、iPadを仕事や現場で使っている人をよく見かけるけど、なんか仕事ができる人っぽくてカッコいいなぁ。よし!ウチもアレを導入しよう!」なんていうノリでiPadを導入すると、あとで後悔することになるかもしれません。

iPadを導入するにあたって、はじめにどのように使うのか、何のために使うのかといった利用目的を明確にしておく必要があります。

利用目的を明確にしないままiPadを導入したために、メールやスケジュールの確認などの限定的な利用だけになってしまい、結局、今までの携帯電話と変わらない効果しか上がらないといったケースが多くなっています。

(2)利用方法をルール化する

iPadを個人で使う場合はWeb閲覧に制限ナシ!ゲームアプリの利用は好き放題!無線LANも接続し放題!でもいいかもしれませんが、企業で利用する場合はそうはいきません。

モラルの問題も関係してきますが、それ以前に情報漏えいなどのセキュリティのリスクが高すぎます。

例えば、街中のいたるところに無料のWi-Fi接続ポイントが提供されていますが、このようなサービスは決して利用すべきではありません。
このような場所の多くはハッカー予備軍の格好の遊び場となっており、無線の盗聴に関してはセキュリティは皆無といっても過言ではありません。

無線LANに接続する場合は「会社や個人で契約している携帯電話の回線か、強固な暗号化設定をした自前のWi-Fiルータを使う」といったルールを設けるべきです。

セキュリティに関する事故を避けるためにこういったリスクの洗い出しと充分な対策を検討してルールを取り決めておく必要があります。

しかしながら、セキュリティにこだわりすぎてガチガチに制限してしまうとiPad本来の使い勝手が悪くなってしまうので、それぞれの利用目的に適ったセキュリティ対策を検討することが重要です。

(3)セキュリティポリシーを設定する

iPadを安全に接続、利用するための情報セキュリティポリシーを設定しておく必要があります。
iPadは持ち歩いてこそその威力を発揮しますが、外出先での紛失、盗難といった情報漏えいのリスクを考慮し、iPad内の情報セキュリティをより強固に保つための設定が必要です。

iPad自体の設定にはない、より強固なセキュリティ設定を行うためには、Apple社のサイトからダウンロード出来る「iPhone構成ユーティリティ」を使います。
Mac OS版、Windows版があるので、 管理者が設定するPC環境のものを選ぶことができます。

また、URLフィルタリング機能を使って危険なサイトへのアクセス制限をかけることも効果的な方法です。

■【iPhone構成ユーティリティ】でできること

 iPhone構成ユーティリティを使ってパスワードポリシーや端末機能の利用制限、VPNの構成情報、Wi-Fiやメールの設定など、端末の集中管理を行うことができます。

@ パスワードポリシーの設定

  • パスワードの最小文字数の設定
  • パスワードの有効期限の設定
    指定した間隔でパスワードを変更することを要求します。
  • 失敗再試行の最大数の設定
    6回失敗した場合は一定時間が経過するまで入力できない状態にする。
    あるいは全てのデータを消去するといった指定を行うことができます。

A 制限の設定

  • アプリのインストールを許可、「YouTube」の使用許可、「AppStore」の使用許可など、ユーザが使用できる機能を指定することができます。


B パスワードの強化

  • iPadのパスコードロックは通常は4桁の数字ですが、より複雑なパスワードを設定することができます。
    ちなみに、パスワードは10回失敗するとiPad上の全てのデータが消去されてしまいます。
    パスワードを忘れた場合の救済措置はありませんので、くれぐれも忘れないように注意しましょう。


  • 【設定画面】

     「設定」→「一般」→「パスコードロック」「簡単なパスコード」をオフにした状態で「パスコードをオンにする」を選択すると、複雑なパスワードを登録することができます。


(4)効率的な管理を行う

企業でiPadを導入した場合、複数のiPadをどのように管理するかが問題となってきます。
さまざまなメーカーからモバイルデバイス管理(MDM)というサービスが提供されています。
MDMが提供する主な機能として以下の3つがあります。

@ 遠隔操作

  • iPadを紛失したときに遠隔操作でロックをかけたり、データを消去したりすることができます。また、さまざまな設定を追加・修正することもできます。

A 設定管理操作

  • iPadの利用ボリシーに従ってパスワードの使用を強制したり、VPN設定やメール設定などを一括で管理することです。業務に必要のない一部の機能の利用を制限したりすることもできます。

B 情報収集

  • iPadにインストールされているアプリや証明書等の情報や稼働状況等の情報を収集することができます。

このほかにも多くの管理機能が備えられているMDMはiPadだけでなくセキュリティ対策やデータ保護といった観点からも非常に有効な手段です。

AppStoreから無料でインストールできる「iPhoneを探す」でも紛失したiPadを探して遠隔操作でロックをかけたり、データを消去することができます。

●「iPhoneを探す」を利用してiPadやiPhoneの現在地を表示



●iPadにメッセージを送ったり、ロックをかけたり、データを消去することができます。



【Back Number】
第1回  iPadの基本&利用シーン          <2012年04月26日号>
第2回  iPadの便利な機能 −三種の神器−   <2012年05月29日号>
第3回  iPadの便利な機能 −三種の神器−   <2012年06月27日号>
第4回  iPadの便利な機能 −三種の神器−   <2012年07月27日号>
第5回  企業でiPadを導入する場合の注意点   <2012年08月29日号>
第6回  iPad活用事例(1)〜外出先で図面を利用する〜   <2012年09月28日号>
第7回  iPad活用事例(2)〜iPadで、魅せるプレゼンテーション〜   <2012年11月30日号>
第8回  iPad活用事例(3)〜 タッチde IT! 〜  <2012年12月26日号>





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